强調を表す言い方(1)
1. おおいに〔大いに〕
(1) 今夜のパ-ティ-は, 親しい人ばかりですから, 大いにたのしくやりましょう.
(2) 首相は將來(しょうらい)の政治の方針(ほうしん)について, 大いに語った.
2. きわめて〔極めて〕-これ以上ないほど, の意味で, 書き言葉に多く使われる.
(1) この事件はれきし上極めて重大だと言える.
(2) 年內にけいきが回復するのは, 極めてむずかしい.
3. ごく
(1) 山田さんはごく親しい友人です.
(2) うり上げ高の減少は, ごくわずかにすぎない.
【注】次の形容詞のような場合, Aグル-プのみに使われる.
A 小さい, 安い, 近い, 短い, かるい, 少ない
B 大きい, 高い, 遠い, 長い, 重い, 多い
4. じつに-感心したり驚(おどろ)いたりするきもちを表す場合.
(1) あなたのお父さまはじつに立派(りっぱ)な方でした.
(2) きのうまでさんせいしていた野口さんが,
突然はんたいするなんてじつに不思議(ふしぎ)だ.
5. ずいぶん
a 話し言葉で親しい間柄(あいだがら)で使われる.
(1) ずいぶん寒くなりましたね.
(2) このへんの土地はずいぶん上がったね.
b 長い時間, の意味を表す.
(1) ずいぶんお久(ひさ)しぶりですね
(2) 今日はずいぶんあるいた
6. たいそう-若い人はあまり使わない.
(1) 今年の冬は寒さがたいそうきびしいという予報だ.
(2) 夏目漱石(なつめそうせき)の授業は,
がくせいの間でたいそう評判がわるかったそうだ.
7. たいへん
(1) あの先生にはたいへんお世話になりました.
(2) まいにちたいへん暑い日がつづいておりますが,
おげんきでいらっしゃいますが.
8. とても
(1) あのえいがは評判通り, とてもおもしろかった.
(2) 銀座でステ-キを食べようと思ったが, とても高いのでやめた.
9. ひじょうに〔非常に〕
(1) あの先生は非常にきびしくて, がくせいのちこくをぜったいに許さない.
(2) このお寺は奈良(なら)時代に建てられた, 非常に貴重(きちょう)な建物です.
强調を表す言い方(2)
1.ずっと-他の物とくらべて, 大きな違いや差(さ)があるようす.
「ずうっと」は「ずっと」を强めた言い方で, 話し言葉に多く使われる.
(1) このカメラの方が本田さんのより, ずっと性能(せいのう)がいい.
(2) 一年前, 一株(ひとかぶ)三百五十円で買ったそのかいしゃの株(かぶ)は,
今ではずっと高くなっている.
2.ぐっと-以前とくらべ狀態に大きな違いがある時.
(1) あのピアニストの演奏(えんそう)は,
最近ぐっと音色(ねいろ)が美(うつく)しくなった.
(2) 山本さんはあの事件があってから, 人間的にぐっと成長したようだ.
强調を表す言い方(3)
1. さんざん-とてもひどいようす. 良い意味では使われない.
(1) 成績(せいせき)がわるかったので, 母にさんざんしかられた.
(2) オ-トバイをうんてんする時は, ヘルメットをかぶるように,
おまわりさんにさんざん注意された.
2. はなはだ-きもちを强調し, 良くない方の意味に多く使われる.
(1) 夜, このへんは暴走族(ぼうそうぞく)が集まるので,
住民ははなはだ迷惑(めいわく)している.
(2) 信用していた取引先(とりひきさき)のかいしゃにうらぎられたのは,
はなはだ殘念なことだ.
3. やたら-順序(じゅんじょ)や度を越して何かをする狀態.
(1) 暑いからと言って, やたら冷たい物ばかり食べていると,
おなかをこわしますよ.
(2) 政治家はせんきょまえにやたらに公約ばかり出すが,
じっこうする人はどのくらいいるだろうか.
〔二〕程度をやわらげる言い方
强調を表す言い方の(1)(2)(3)にくらべて强調の度合いが弱い. 他の物事に比較してすうや量が多いことや, 普通の程度を越えていること.
1. かなり
(1) あのゴルフ場はえきからかなり遠い.
(2) 最近はアフリカにも, 大國(たいこく)の企業(きぎょう)が
かなり進出(しんしゅつ)している.
2. そうとう
(1) 社長は若い時そうとうくろうしたそうです.
(2) ここも寒いけど, 札幌(さっぽろ)もそうとう寒いということです.
【注】その物事にたいしててきとうであるという意味でも使われる.
(1) その人の能力にそうとうする仕事.
(2) そのきんがくにそうとうするだけのものを差し上げるつもりだ.
3. だいぶ〔大分〕
(1) 台風十九ごうのせいで, 北九州地方は大分被害(ひがい)が出たらしい.
(2) 健康(けんこう)のためにテニスを始めてから大分丈夫(じょうぶ)になった.
4. なかなか-じっさいの結果が期待(きたい)や予想(よそう)した以上の場合で,
良いことを表すために多く使われる.
(1) 子供がかいたえですが, なかなか上手(じょうず)ですね.
(2) 新入(しんにゅう)社員がこんな大きな仕事をするとは,
なかなか大(たい)したものだ.
5. よほど-「よっぽど」は「よほど」を强めるための言い方で,
話し言葉に多く使われる.
(1) 橋本さんより鈴木さんの方がよほど親切だ.
(2) 私達の若いころより, 現代の若者の方がよほど保守的(ほしゅてき)だ.
【注】「よほど」には次の用法もある
A. 比較だけではなく推量(すいりょう)する場合にも使われる.
(1) よほど疲れていたのだろう. 家にかえるとすぐ寢てしまった.
B.「思いきって」の意味でも使われる.
(1) 電車の中でたばこをすっている人によほど注意しようと思ったがやめた.
〔三〕程度の進行を表す言い方
ある狀態がそれ以上になるようす
1. いっそう
(1) この二, 三日, いっそう寒さがましている.
(2) 新しいくすりをいしゃにすすめられてのんだら,
いっそう頭痛(ずつう)がひどくなった
2. さらに〔更に〕
(1) 台風の影響(えいきょう)で, 今晩から風と雨が更にひどくなるでしょう.
(2) 貿易(ぼうえき)しゅうしのくろじとともにたいにち感情は以前より更に
あっかした.
【注】くり返したり, 新しく加えたりすることを表す場合にも使われる.
その上に, の意味.
(1) スミスさんは日本語の勉强をしているが,
秋から更に中國語の勉强も始めるそうだ.
(2) 健康(けんこう)を維持するためには,
更に十キログラム減量(げんりょう)しなければならない.
3. なお
(1) 準優勝(じゅんゆうしょう)でもうれしいが, 優勝したらなおうれしいだろう.
(2) きびしい練習の成果(せいか)が出ています. なおいっそう練習してください.
4. なおさら-「なお」よりもっと强いきもちを表す.
(1) 新婚旅行に行けば, 結婚費用(ひよう)はなおさら多くなる.
(2) 入院して手術(しゅじゅつ)をしたがうまくいかなかったので,
病狀(びょうじょう)がなおさらあっかした
5. ますます
(1) 喫煙者(きつえんしゃ)にたいする批判(ひはん)がますます高まっている.
(2) このところかぶかはますます上昇(じょうしょう)している.
6. もっと
(1) もっと勉强しなければならない.
(2) もっとはんばい成績(せいせき)を上げるには, どうしたらいいだろう.
7. よけい(に)
(1) 登校拒否(とうこうきょひ)の子供にがっこうへ行くように注意すると,
よけいがっこうへ行きたがらなくなるそうだ.
(2) 暑い暑いといって水ばかりのんでいると, よけい汗(あせ)が出る.